
今日は、「パン・デピス」第2段です!
先日、地元のデパートのフランスフェアで、
パリのはちみつ専門店『La Maison du Miel』(ラ・メゾン・デュ・ミエル)の
パン・デピスを購入しました。もちろんフランス直輸入のものです。
蜂蜜屋さんのパン・デピス、聞いただけで美味しそうですよね!
かなりパサつき感のある生地、はちみつの濃厚な甘み、ほのかな酸味、そして遠くの方からアルコールに似た香りがして、そのまとめ役は絶妙な加減のスパイス。ひとかけらで頭がぼーっとするような、麻薬チックな味でした。
そして、このルセットのシンプルさを見て、かなり驚きました。
原材料・・・・はちみつ、ライ麦、膨張剤
バーボンバニラ、シナモン、丁子
たったこれだけ!!!です。
さらに、リーフレットには、
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このパン・デピスは昔ながらの製法で作られ、
ハチミツとスパイスをたっぷり使った重いパンケーキ、長期保存できます。
ハチミツ55%とライ麦をまぜ数日間発酵させ、バーボンバニラ(非常に稀な
バニラの類)、シナモン、クローブなどのスパイスを加えじっくり4時間かけ
て焼き上げた古典的な味のパン・デピスです。
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この「粉とはちみつをおよそ半々に混ぜて発酵させる生地」
これを『パート・メイル』と言います。
この方法で作ったパン・デピスは、材料を混ぜるだけの普通の製法のそれよりも、長時間保存ができるといいます。
はじめて古典的な製法のパン・デピスを食べましたが、この心地よい発酵臭がとても気に入りました。でもやはり特筆すべきは、全材料の55%も使用している、天然はちみつの美味しさでした。
ちなみに、みなさんもご存知の通り、はちみつは(はちみつが入っているお菓子もです!)1歳未満の赤ちゃんには食べさせてはいけませんよね。よく注意書きに書いてあるのを目にします。最近、その理由を知りたくて、はちみつに関する本を読みました。
はちみつは糖濃度が高く、強い殺菌性があるため、細菌はその中で繁殖することはできません。ただ、ボツリヌス菌は例外的にその中で生きながらえることができます。
ボツリヌス菌は空気が苦手な嫌気菌で、空気を避けるために殻(芽胞)を覆った形で、はちみつの中で休眠状態で存在することができるのです。
はちみつは自然の産物なので、ボツリヌス菌がまれに混入することがあります。
ただ私たちの体にこの菌が入ったとしても、腸内細菌があるため、そのまま体外に排出されます。しかし、乳児はまだ腸内細菌が整わないため、まれに中毒を起こすことがあります。
これを「乳児ボツリヌス症」と言うそうです。
残念ながら、1歳未満の赤ちゃんには、はちみつ入りのマドレーヌなどはあげられないんですね~。
●参考●ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『La Maison du Miel』は日本にも出店あり。
〒135-0064 東京都江東区青海一丁パレットタウン内
ヴィーナスフォート3F2280
http://maisondumielnamiki.net
●はちみつの参考文献●

清水 美智子
はちみつ物語―食文化と料理法
